唐沢です。
ヤフーニュースを見ていたら
「黒夢の商標がネット公売に」という
ショッキングな記事がありました。
どうやら
税金の滞納で
強制的な処分のようです。
普通であれば
楽器・機材・スタジオなどの不動産等
資産価値のあるものが対象になるのですが、
それらを補っても足りないので「商標」まで
差し押さえになったようです。
「商標」ってかなり末期ですね。
商標の所有者は
運営会社を手掛ける清春であるので、
清春自体が自己破産・倒産する可能性もあります。
商標自体の落札予定価格が25万円なので、
商標以外で資産価値があるものが残っていなかった可能性があります。
25万円といえば
クロムハーツのブレス1本程度なので
全盛期の清春のクロムハーツづくしからは想像もできないですね。
つまり、
「黒夢」という『商標』の価値が
クロムハーツのブレス1本程度になったことになります。
全身クロムハーツだった男に一体何があったのでしょうか?
一体何が原因か?
黒夢、というより清春の転落は2000年から始まります。
黒夢も人気絶頂、
そして新プロジェクトの「sads」も大人気でした。
しかし、ツアーの舞台セットにお金をかけすぎて
満員にもかかわらず赤字になっていたのです。
数億円の舞台セットを作り、
その負債額は5000万円と本人が公表しています。
つまり簡単にいうと、
予算と収益の計算ができなかったわけです。
これは普通は、あり得ません。
普通の音楽事務所であれば
どれくらいの予算をかけて
収益をだすのかをしっかりと計算します。
では、なぜ満員であるにもかかわらず
5000万円もの負債をだしたのでしょうか?
それは、
清春が個人事務所を立ち上げて
自分でマネジメントしていたからです。
つまり素人のどんぶり勘定だったということです。
(インタビューで当時は収支を予想できるスタッフが誰もいなかったと語っています)
これはインディーズなどの小規模で活動する分にはかまいません。
しかし、影響力が大きくなればなるほどマイナス要素も大きくなります。
例えば100人規模のライブハウスの場合、
失敗しても数十万円程度のマイナスで済みます。
ところが影響力が大きくなり
活動が大規模になればマイナスの桁も100倍1000倍となるわけです。
チケット完売だから黒字、
という単純なものではないわけです。
こういう負の要素は
まだ規模が小さいうちに気づかなければなりません。
負の関数
例えば、年収が400万円で
借金が100万円あるとします。
そういう方は年収が1000万円になれば
すべての借金がなくなると思ってしまいます。
とんでもないです。
確実に借金も倍以上になります。
つまり、すでに『小さな負の芽』があるということです。
収入が増えれば、それに比例して借金も増えます。
数式・関数と同じですね。
ですので、こういう負の要素があると
成功すればするほど失敗のリスクも高くなるのです。
清春の場合、ブランディングかもしれませんが、
クロムハーツづくしで自分をアピールしました。
これはブランディング戦略ですが、
成功すればするほど、身につけるモノをそれ以上にしなければならなくなる、という負のスパイラルに突入します。
一度味わった生活水準を下げられないのと同じように、
自分で作ったブランディングによって、
最終的に自分を苦しめることになります。
それが冒頭でお伝えした
「ツアーの舞台セットにお金をかけすぎた」、
という大きくなってしまった『負』に繋がるのです。
クロムハーツという小さな負の芽が
採算があわない数億円の舞台セットという
大きな負の花を咲かせてしまったのです。
本来であれば
ここで歯止めの役割になるのが
会社の上司やマネジメントする人になります。
しかし、
清春は個人事務所の社長ですので、
それがわからないのです。
ファンを喜ばせるために
収益度外視でセットを作る、
というのは素晴らしいですが、
周りのスタッフや、
バックバンドメンバー、
社員などを養わなければなりません。
そういう立場(経営者)の場合、
やはり収益を第一に考えるべきです。
それが嫌なら
経営は別の人に任せて
自分はアーティスト業に専念すればよかったのです。
こういうことに早めに気づき
音楽業界の運営に詳しい経営者を招き入れるなどの対策も出来たはずですが、それもやらない。
『思ったことを好きなだけやれる不運』
その結果が商標の差し押さえです。
小さな芽はどこにあった?
清春はライブの開演時間が常に遅れるようです。
だいたい30分から1時間は遅れるようです。
また、リハーサルなどもやらないようです。
これは、デビュー当時からの思想であり、
「正しい時間についていけないからミュージシャンをやっている」という哲学のようです。
これは、いかにもロック風でかっこよく感じるかもしれませんが、ここが「小さな負の芽」でしょうね。
スタッフやファン、関係者などの時間を奪っているのに気づいていないのです。
こういうのは、
積み重なると確実に信頼を失います。
また、一度慣れてしまうと、
感覚がおかしくなり、
それを正当化しようとします。
「ロックだから何でもOK」
「これがオレのスタイル」
「それでもついてきてくれるのが本当のファン」
その歪曲した哲学を
正してくれる人がいないでしょう。
個人事務所を設立して、
自分の好きなようにしているのですから
それも幸せかもしれません…
「唐沢って冷たいな」
と思うかもしれませんが、
妻子持ちの社員を雇うことは
それなりの責任を持たなければなりません。
自分の態度や指示ひとつで、
会社なんてすぐに傾きます。
家族がいるスタッフを雇うということは、その家族の分も責任を持って食べさせるくらいの気持ちがないと経営者としては失格だと思います。
私も実店舗で妻子持ちのスタッフを雇っていますが、スタッフの家族のことは常に頭にあります。
スタッフの奥さんと子供にだけは、
悲しい思いはさせたくありません。
これは、私の最優先事項です。
だからこそ、
商談で時間に遅れるなんてことは絶対にしません。
「開演が遅れてもOK」というのは
アーティストとしては最高かもしれませんが、
経営者としては最低です。
それを叱ってくれる仲間や先輩がいないのも運が悪かったと思います。
最後に
最後になりますが
実は私、中学生の時は黒夢のファンでした^^
臣がいたときからよく聴いていました。
ちなみに臣が脱退する理由が
「音楽よりプライベートを選ぶ」
ということに中学生ながらショックを受けました^^
しかもレコーディング中に「失踪」してそのまま脱退という衝撃的な結末です。
清春も雑誌のインタビューで「臣ですか?…消えちゃいました(笑)」というのがやけに面白かったですね。
メジャーデビューしてからは
なんかポップになってしまったので、
残念したが、「亡骸を…」「迷える百合達」までは好きです。
本当に初期の頃は
ブラックメタル
ゴシックメタルなど
かなりヤバイ感じでしたらからね。
それがメジャーに行くと、
万人受けするようなポップスターに…
という感じで当時を知っているだけに、
今回のニュースは非常に残念ですね。
自分を貫くのも大切ですが、
人の意見を聞くのも大切ですね。
「小さな負の芽」、
あなたも注意してくださいね。
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それでは唐沢でした^^
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