ハローワークの職業訓練校という制度がありますが、はたして意味があるのか?実際に講師をしていた私が面接の裏側を暴露します。
唐沢です。
職業訓練校という言葉を
聞いたことがありますか?
これは、
厚生労働省が就職を斡旋するために
行っている政策で、
ハローワークを通して手続きが行われます。
簡単に説明しますと、
職業についていない人が
就職する前に専門技術を身につけて
それから就職することで
即戦力となり、会社からも評価されるというシステムです。
職業訓練の種類は色々あって、
パソコンや介護福祉、機械・電気など
様々な専門技術が学べるようになっています。
私もパソコン教室を経営していて、
基準を満たしていたので、
職業訓練校としてお手伝いをしていました。
ただし、
結局、就職先がブラックだったり、
資格等を取っても転職が難しかったりします。
そもそも「無料でスキルを取得する」という発想が私は好きではありません。
手放すリスクが大きいほど身に付くものも大きくなるのです。
その為、すぐに辞めてもよいという甘い考えになりがちですし、本当にやりたいことはできないでしょう。
職業訓練に興味があって
このページを訪れるくらいの
検索力があれば、
ネットで稼ぐスキルを身に付けたほうが
断然有利です。
このようなスキルです。
安易に介護やパソコンスキルを身に付けて
やりたくもない職業に就くよりは
自由に稼ぐチカラを身に付けて
自由な人生を送った方がよいでしょう。
私もその辺にジレンマを感じて、
今では訓練校はやっていません。
それに、
通う方は無料でスキルが身に付くので
よい環境だと思いますが、
その源泉となるのは当然税金です。
ハローワーク職業訓練校の面接の裏側
それではいよいよ、
職業訓練校側の視点のお話をします。
まず、訓練校側は就職率が重要になります。
つまり、
訓練を受けてもらって、
その生徒が就職できたかどうか?
ここが今後も続けられるかどうかのポイントとなるのです。
例えば、
5人訓練生が入り
1人しか就職できなかった場合
ハローワーク、厚生労働省側からの
評価が低くなります。
評価が低くなると、
次に募集をかけることができなくなります。
つまり、
職業訓練校の廃業です。
では、どうすれば就職率を上げらるのか?
それが募集のときにする「面接」です。
職業訓練校に入るためには
「面接」があります。
訓練校側は就職率を下げないために
『なるべく優秀な人』を入れたいわけです。
優秀じゃない人は、就職できないリスクがあるからです。
つまりコレって、
本来は弱者のための政策が
いつの間にか優秀な人しか受けられない超不平等なものになっているのです。
職業訓練校になると、いくらもらえるの?
私がやっていた時は
生徒1人につき月に6万円が支給されました。
これは、はっきりいってバブルです。
参加者は20人いましたので、
月に120万円を国から受け取ることができたのです。
講師は私と、助手1人
テナント料を差し引いても
95%は粗利です。
しかも、パソコンなんて
全然経費がかかりませんし、
変動費というのがないのです。
それに対して、1人6万円支給というのは、
はっきりいって国はアホです。
どこに税金使ってるんだ!って話ですよ。
(現在は下がったようですが・・・)
まあ、そんなおいしい話につられて
ほとんどのパソコン教室は
職業訓練校にシフトチェンジするわけです。
ただし、それには現在通ってくれている
通常の生徒様を切り捨てなければなりません。
私は数店舗経営しておりましたし、
生徒様を切り捨てるような事は
当然しませんでしたが、
パソコン教室を運営している
全国の知り合いの経営者は
どんどん変わっていきました・・・
職業訓練校という甘い罠・・・
私はこのシステムに疑問を抱き、
すぐに解約することになります。
確かに、月に100万円以上の利益になるのは
魅力的ですし、生徒様の力になれることは
充実感もありました。
しかし、そんな事しなくても
全然稼げますし、そっちにシフトチェンジすると
自分のスキルも上がらないし、
国のアホな政策に加担するのも嫌でしたね。
なにより、絶対に長く続かないと思いました。
バブル期と同じです。
どんどん続くと思っていても、
いつかは弾けます。
で、
もちろん予想のとおり
弾けるわけです。
バブルが弾けた後に、待ち受けていたのは・・・
国からの報酬は下がり、
さらに基準も厳しくなったのです。
これにより
全国のパソコン教室の数パーセントは
廃業していったことでしょう。
私の近くにも、これがきっかけで
廃業した教室はたくさんあります。
つまり、
国からの甘い言葉に惑わされて、
本当は長く付き合わなければならない
固定客を切ってしまい、
バブルが弾けて、あわてて呼び戻しても
もう遅いのです。
今まで支えてくれた
お客様を切る時点でアウトですが、
やはり先を見抜けないのは
同じくらいアウトですね。
これらの事から、
自分の実力以上のものが
飛び込んでくるようなとき、
そして、
甘い罠が手招きしているときは、
少し立ち止まって、
自分のコアな部分をしっかりと見つめましょう。
自分の現在のチカラを知り、
回りの状況を冷静に判断すれば
流されなくてもすむのです。
バブル期のように
自分を見失い
欲の渦に飲み込まれないように
日頃から自分のコアを探しましょう。
「立ち仕事が嫌だから事務を目指す」
という消去法ではなく、
自分で稼ぐ力を身に付けた方が、
時代に左右されることなく
胸を張って生きていけると思います。
それでは唐沢でした。
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