唐沢です。
メイウェザーVS那須川天心、凄かったですね。
メイウェザーを呼べたこと自体奇跡です。
5階級制覇、50戦無敗、20年間負けなし。
これ以上のボクサーはもう出てこないでしょうし「生ける伝説」とは彼のためにあるような言葉ですね。
そんな伝説的なボクサーと対戦できるチャンスがあれば、どんな格闘家だって損得抜きで挑戦したくなるでしょう。
しかも、「メイウェザー最後の対戦相手になるかもしれない」という椅子が空いていれば・・・
ということで、今回のメイウェザー戦、いったい何が凄かったのか見てみたいと思います。
交渉術で勝負あり
今回の一戦は、戦う前から勝負ありでした。
契約が決まりそう→ごねる→全環境を有利に進める、というお決まりのパターン。
メイウェザー陣営には、確実にプロのディベーターがいます。
ですので、戦う前にここで勝敗はついてしまいます。
メイウェザーの何が凄いって、これだけの実力差があっても交渉に妥協しない点です。
まぁ、ぶっちゃけ天心選手の映像をみれば、どれくらいの実力なのか?すぐに判断できたと思います。
パンチの重さや、スピード、反射神経など、今まで積み上げてきた経験から、天心がどんな選手なのか?スグに実力差も計算できたことでしょう。(トレーナー陣も含めて)
階級も違いますし、ルールも違う。
それでも、リスクを徹底的に排除しました。
天心が有利になることは一切認めないのです。
試合を平等にさせよう、なんて妥協が一切ありません。
グローブのハンデも試合前日までもつれるほどです。
「負ける要素が1ミリでもあれば、対戦しない」
これはメイウェザーが王様だからこそできる交渉術です。
勝ち続けるからこそできる特権なのです。
「不平等」という人がいますが、逆にお金を積んでメイウェザーと対戦できることの方が実は不平等なのです。
アメリカにはメイウェザーと対戦したい実力のある1流ボクサーがたくさんいますからね。
それをお金の力で実現させたRIZINの方が不平等なのです。
だからこそメイウェザーが王様となるルールを飲む必要があり、キック有りルールなんて、メイウェザーはやる必要がないのです。
メイウェザーの凄さ
メイウェザーの公式戦は、勝敗にこだわる試合運びですので、必要以上にリスクを冒しません。
派手なパンチでKOなどは狙わないのです。
だからこそ、ディフェンス部分だけが注目される試合が多いです。
確実に判定勝ちを狙っていくパターンです。
ですが、今回はさすがに実力差がありすぎて、メイウェザーのパンチの凄さもわかる貴重な戦いとなりましたね。
体重差を指摘する人が多いですが、これだけ体重差がありながら、スピードと反射神経もメイウェザーの方が上でした。
天心選手もスピードは超一流です。
しかし、それを上回るスピード&パンチ力だったわけです。
正直、私は那須川天心選手をめちゃくちゃ強いと思っています。
「神童」というキャッチコピーも決して誇張ではなく、本当にそう思います。
それでも、スピードでも天心を子供扱いしたメイウェザーの凄さにショックを受けました。
パンチの重さは体重差によりますが、スピードは天心の方が有利だと思っていたからです。
セルフプロデュース力
そして、今回の試合で男を上げたのは、実はメイウェザーの方でしょう。
もちろん天心選手も凄いですよ。
あれだけ不利な条件でリングに上がりましたし、そのプレッシャーは半端ではないでしょう。
ただ、演出や試合までのプロモーションなど、男を上げたのはメイウェザーの方だと思います。
まず、まったく本気を出さなかったことです。
おそらく本気のパンチを放っていたら、天心選手は再起不能になっていた可能性があります。
ゴングから数十秒で、天心選手の能力を計り、なるべくダメージが少ないパンチ&天心への敬意を表するため秒殺で終わらせてくれました。
下手に試合を長びかせるより、素早く仕留めた方が天心のために良いと判断したのでしょう。
それに、ダメージが蓄積するような攻撃ではなく、シンプルにダウンを奪う攻撃をしてくれました。
これは、天心側のテレーナー達は正直ホッとしたと思います。
よって、こういう試合運びをしてくれたメイウェザーの方が男を上げたと思います。
それに、あれだけ舐めきっていたのが、試合後は天心を気遣うコメントを残しました。
こういったキャラクターの使い分けが抜群に上手く、それはもう単なるボクサーの次元を超えている存在ですね。
メイウェザーの格言
最後にメイウェザーの格言をご紹介して終わりにしたいと思います。
「お前が休んでる時、俺は練習している。お前が寝ている時、俺は練習している。 お前が練習している時、もちろん俺も練習している」
ハードな練習を20年続けてきたからこそ出た言葉でしょう。
実際、メイウェザーは努力の天才とも言われています。
50戦無敗の天才ボクサーが残した名言は、さすがに重みがありますね。
それでは唐沢でした。
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