唐沢です。
先日レビューしたスーパーマリオランですが、無料ダウンロード後じわじわハマってきました^^
「画面をタップしてジャンプするだけ」という超シンプルな操作性ですので、マリオを自由に動かせないという制限があるのですが、プレイしていくうちに、これが意外とハマってきます^^
今回のシリーズにおいて、マリオは立ち止まったり、後ろに戻ったりは出来ません。
とにかくマリオが自動で前に突き進みます^^
この制限が面白いのです。
最初は「こんなのマリオじゃない!」「値段1200円?高けーよ」と怒りモードになりますが、「ごめんなさい、面白いですねコレ^^」という感じで改心していきます。
そして深くプレイすると、「課金しちゃおうかなぁ」という気持ちになると思います。
課金までのマーケティング戦略
任天堂は今回プラットフォームをスマホアプリにしたことで、いままでのコンセプトから大きく変更した点があります。
今までは「面白いゲーム」を作ればそれで売れました。
しかし、スマホゲームのように課金ビジネスをする場合、導線をしっかりと引く必要があります。
その導線というのは
①無料でばらまく
②課金にしむける
この2つです。
「①無料でばらまく」については、ゲーム業界の重鎮である任天堂、広告費はいくらでもかけられます。
ただし「②課金にしむける」ここについては、かなり手探りだったのではないでしょうか?
しかし、結果的に導線の引き方は最善だったと思います。
1200円という値段もリーズナブルだと感じるでしょう。
ダイレクトレスポンスマーケティング
前述したとおり、まずは無料で与えて見込み客を集め、そこからセールスする手法をダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)といいます。
無料で与えて与えて与えまくるのが、ダイレクトレスポンスマーケティングの基本です。
ですので、スーパーマリオランの場合、最後のステージの一歩手前まで無料でプレイさせても利益は出たと思います。
最後の方までいったら、絶対にエンディングが見たくなりますからね^^
それに「返報性の原理」も効いてきます。
「もうちょいで全部クリアだ、エンディングどんなんだろ?ここまで無料で楽しめたし、課金するか」みたいな感情です。
しかし、このスーパーマリオランについて、任天堂は「3ステージ分」しかプレイさせませんでした。
ここはプライドを感じますね。
「3ステージやれば絶対にハマる!」こういった熱い想いを感じます。
3ステージでもハマる要素を入れてきた
スーパーマリオランは普通にクリアしても全然面白くありません。
従来のマリオのように、ステージのゴールを目指しても達成感はほとんどないのです。
では、何が面白いのか?
コイン集めです。
各ステージには「ピンク」「パープル」「ブラック」のコインがあり、それをとる事にハマる要素を入れてきています。
ハマる=ドーパミン(快楽体験)です。
このコイン集めは、うまく集まるとめちゃくちゃ気持ちイイです^^
ですので、「3ステージ」試してもらえば十分なのです。
これが「20ステージ」もできてしまったら、ハマる要素の3種類のコイン集めをしなくなります。
ステージクリアを目標にしてしまうと、そんなにハマる要素がないのです。
ですので、「3ステージ」という制限にして、ハマる要素を何度も体験させることにより、課金への導線を自然にしたのです。
ライトユーザーをどう課金させるか?
任天堂が最もフォーカスしたのは「ライトユーザーの課金率」です。
というのは、マリオの場合ヘビーユーザー(熱狂的なファン)はすぐに課金してくれるからです。
試さなくても勝手に課金してくれます。
ヘビーユーザー=既存顧客
ライトユーザー=見込み客
このような感じです。
ですので、そんなに熱狂的なファンではない「ライトユーザー」にどう課金させるか?が最大のポイントだったわけです。
よって、そんなライトユーザーがハマる要素として選んだのが「コイン集め」だったのです。
ここはスーパーマリオランを開発するとき、一番時間をかけた部分だと思います。
ライトユーザーをハマらせるゲーム性・醍醐味を研究しまくったと思います。
「ただ面白いゲームを作れば大ヒットする」というのは幻想です。
どこかに仕掛けがあるわけです。
ビジネス的な仕掛けを読み取ろう
以上のように、今回任天堂は「面白いゲームを作ろう」というコンセプトを少しずらしたと思います。
面白いゲームを作っても売れない時代だからです。
それよりも、ライトユーザーをいかにハマらせるか?着眼点はここだったと思います。
その為に、色々な仕掛けをして課金まで誘導しているのです。
ですので、今回のスーパーマリオランを少し試すと、どういった点がライトユーザーがファンになってくれるのかわかります。
ビジネスもまったく同じで、あなたの見込み客にどういったアプローチをすればファンになってくれるのか?これを戦略的に考えるとよいでしょう。
以上となりますが、ヒット商品や話題の商品には必ずヒントがあります。
それらを自分なりに分析し、活かしてみてはどうでしょうか?
それでは唐沢でした^^
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