唐沢です。
WBA世界スーパーフライ級
河野公平VS亀田興毅の試合にて
亀田選手の突然の引退発言には
驚きましたね。
私は亀田興毅選手のアンチではなく
どちらかというと好きですね。
もちろんパフォーマンスや
発言等アンチの方が
圧倒的に多いでしょうけど、
その辺はビジネスとして
割切っている所が凄いなぁと思います。
批判するのは簡単ですが、
その裏にある戦略や
スポーツとビジネスのバランス感覚は
非常に優れていた選手だと思います。
見ている側は
過剰に反応し過ぎですね^^
今回も試合前に
河野選手を挑発する場面がありましたが、
試合後、河野選手は
「よく盛り上げてくれた」と
遠回しに敬意を表しています。
恐らく
あの程度のパフォーマンスで
いちいち感情を動かしているのは
視聴者だけで、
当の本人達は
ある程度割切っているのではないでしょうか?
『伝統』とか『品格』とか
『生意気』とか『実力がない』とか・・・
相変わらず1つの価値観に
固執し過ぎている感があります。
これは
報道の見せ方などもありますが、
スポーツはエンターテイメントですので、
視聴者の感情を動かすのも
チカラの一つだと思います。
そういった点では、
亀田兄弟は良くも悪くも
ボクシング業界にスパイスを与えてくれました。
ただ、
取巻きが悪かった・・・
作り上げられたキャラ設定
亀田選手の人格は、
最初からうまく行きすぎたことによる影響が強いと思います。
世界チャンピオンになるまで
無敗、つまり最短で上り詰めたことにより
変な取巻きが増えたことでしょう。
ほとんどが、
金銭的な目的でアプローチしてくるわけです。
その交渉術や
舐められないようにするディベートにより、
人格が形成されてしまったのです。
これは
自分の身を守るための
副作用的なものでもあったことでしょう。
自分の影響力が大きくなればなるほど、
本当の自分というのがわからなくなるのです。
プレッシャーも普通の20代よりも
数十倍あったと思います。
それを跳ね除けるための
キャラ設定こそ今のスタイルなのです。
なぜこのタイミングで引退するのか?
亀田選手は以前より
20代で引退することを明言していました。
ただし、今回の対戦時は
まだ28歳。
あと2年程度は
続けられたはずです。
しかし、
今のタイミングで引退を選んだのは
色々な要因があると思います。
まず考えられるのは
モチベーションでしょう。
2013年に起きた
次男・大毅による
「負けても防衛」事件より
国内で試合ができない状態に
追い込まれました。
さらにバッシングの嵐が続きます。
こんな状態のまま
戦場をアメリカに移します。
しかし、待っていたのは
3男・和毅の敗戦と
次男・大毅の敗戦でした。
つまり、
アメリカを主戦場にしてから
亀田家は誰も勝っていないのです。
もう後がない状態で挑んだのが
今回の試合だったわけです。
そして負けてしまったわけです・・・
最大の理由はボクサーとしての商品価値
亀田家が日本国内で
試合ができなくなり、
助けを求めたのが
アル・ヘイモン氏です。
アル・ヘイモン氏は
マネージャー兼アドバイザーであり、
亀田家がアメリカマットに進出する
ビジネスパートナーとなったわけです。
あのメイウェザーや他の有力選手とも
契約している大物です。
そして、
亀田家もこの大物プロモーターと
アメリカでの成功を掴もうとしましたが、
勝負の世界、うまくいかなったのです。
アル・ヘイモン氏は
ビジネス的な価値がないと
見切るのも早く、
その辺りも亀田選手は
覚悟のうえだったと思います。
今回の敗戦により、
やはり次のプロモーターを探したり
戦いの場を見つけたりする
そんなマネジメントに
モチベーションが湧かなくなってしまったのが原因の1つだと考えられます。
良くも悪くも、
父も健在で、ボクシングに集中できていた頃が1番幸せだったのではないでしょうか。
父が追放となり、
国内を追われ、
色々なことを1人でやらなければならなくなった。
また、本人は
ボクシングを面白くしようと思っただけのことかもしれませんが、世間があまりにも敏感すぎて疲れてしまったのではないかな、と思う最終戦後のコメントでした。
賛否は色々あると思いますが、
青春の全てをストイックに
ボクシングに捧げたことは立派だと思います。
同じくらいの努力をしろ、
と言われてもほとんどの人はできないでしょう。
だから亀田選手を批判する人は
その背景や努力を理解していない場合がほとんどなのです。
「ボクシングとはこうあるべき」
とか決めつけても面白くないですからね^^
その辺を壊してくれた選手だと思います。
お疲れ様でした。
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