唐沢です。
2017年4月1日に開園した名古屋の「レゴランド」。
そんなレゴランドですが、
オープンから2カ月で料金を値下げするようです。
理由としては、
「アンケートで要望があったから」ということですが、
それはオープン前から入念にリサーチしなければいけませんでしたね。
自己分析した結果、
しっかりとした
『根拠のある価格設定』が
必要だったと思います。
テーマパークビジネスは、
すでに勝者が決まっていますので、
そこから逆算してマーケティングを行う必要があります。
個人的に「レゴ」は好きですし、
輸入や輸出でも稼がせてもらったので
応援したいテーマパークです^^
しかし、そんなレゴランドも
この様にマーケティング戦略の「甘さ」が
目立つ展開になっちゃってますね。
問題の価格設定ですが、
大人:6900円
子供:5300円
う~ん、ちょっと高いですよね?
ちなみに、
ディズニーランドは
大人:7400円
子供:4800円
USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)は、
大人:7400円
子供:4980円
子供料金に関しては、
レゴランドが1番高い結果になっています。
テーマパークの場合、
権威(ディズニーランド)が決まっているので、
それが価値・満足感の基準となります。
つまり、
『料金=満足度』で見た場合、
ディズニーランドの料金が基準となり
それにより満足度も変わってきます。
例えば「牛丼」の場合、
すき家&吉野家という権威が基準となり、
そこに対して「味」や「付加価値」により
価格と満足感のバランスが決まります。
権威と比べて価値があれば指示され、
それ以下と判断されれば指示されません。
今回のレゴランドの料金はディズニーランドやUSJと近い価格設定となっているので、それに近い満足感を得られると感じさせることができなければ失敗することになります。
口コミ情報や、
アトラクション情報により
新規客は行くかどうかを判断します。
まず、ここのハードルをクリアしなければなりません。
ディズニーランドやUSJほどの価値を『疑似的』に感じることができなければ、レゴランドは選ばれないのです。
その重要な要素が「料金」なのですが、
これは明らかに失敗ですね。
アトラクションの数やクオリティ、そして敷地面積からディズニーランドよりも満足が高くなるイメージを持つことは、ほとんどの人はできなでしょう。
DRMを取り入れるべきだった
先ほど敷地面積の話がでましたが、
各テーマパークの敷地面積は下記の通りです。
ディズニーランド:約51ヘクタール
ユニバーサルスタジオ:約39ヘクタール
レゴランド:13ヘクタール
これだけを見ても、
1日中遊べて満足できるテーマパークという期待は持てません。
さらに、アトラクションのクオリティもディズニーを基準にすると、ちょっと厳しいですね。
「一見さん」だけを相手にするならよいですが、テーマパークビジネスはリピート戦略がすべてです。
1度遊んで料金と満足度のバランスが合わなければ当然リピートはしません。
レゴランドの場合、
すでに「レゴ」というブランドがあるので、
DRM的な戦略をとった方が当たる確率は高かったと思います。
つまり、入場料を極端に低く設定し、
パーク内でレゴを購入してもらったり、
入場料以外でお金を使ってもらえばよかったのです。
その中で「レゴをコレクションする面白さ」を教育していけば息の長いビジネスになったと思います。
「レゴのある生活がどんなに楽しいか」をパーク内のいたる所で刷り込んでおくのです。
その為にも、
まずは「来てもらう」必要があります。
今回の価格設定では、
最初のハードルである
「レゴランドに来てもらう」という事さえ難しい状況にしています。
つまり、フロントエンドでいきなり「元」を取ろうとしているわけですね。
これでは絶対にうまくいきません。
ディズニーという権威がある中
テーマパークの相対的な価値基準は
すでに決まっています。
今回のレゴランド側が、敷地面積・アトラクションなど自己分析をして、あの価格に設定したのであれば、あきらかにリサーチ不足でしょう。
ただし、アンケート(値下げの声)を即効で取り入れた小回りの早さは評価すべきことでしょう^^
それでは唐沢でした!
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